近鉄では、6月12日、2026年に大阪線・名古屋線・南大阪線などで新型一般車両をデビューさせると発表しました。
近鉄は、2024年10月から奈良線・京都線・橿原線・天理線(以下「奈良線系統」)で新型一般車両「8A系」の運行を開始していますが、2026年1月から大阪線・名古屋線・山田線・鳥羽線(以下「大阪線・名古屋線系統」)で、2026年5月から南大阪線・長野線・御所線・吉野線(以下「南大阪線系統」)で新型一般車両を運行することが決定しましたのでお知らせいたします。
大阪線・名古屋線系統車両のカラーリングは「青色」とし、白色とのツートンカラーで近鉄らしさを継承しながらも、これまでの「赤色」とともに新しい近鉄のイメージを創っていきます。
奈良線系統で2024年10月から運行を開始した『8A系』。今までの近鉄電車にはない斬新なスタイルと充実のサービスで登場しました。そして新たに大阪線系統・名古屋線系統・南大阪線系統でも最新鋭の車両が登場することになりました。近鉄主要各線でその姿が見られるようになります。
▼奈良線系統で運行中の近鉄8A系
▼今度大阪線・名古屋線系統に投入される予定の1A系(ニュースリリースより)。青色は今までの近鉄にはない塗装ですね。前面・側面は京阪3000系によく似てるような気がします。朝日新聞の記事によると、担当者は「伊勢志摩につながる路線であり、当社のコーポレートカラーが青色ということで総合的に判断した。伝統を守りながら進化をしていくというのを表現したい」、また、名古屋線系統では今後、既存の車両も1A系と同様の塗装に順次変更するという。とのことで、赤色の近鉄電車は名古屋エリアでは見納めになりそうです。
各線区に投入される新型車両の導入詳細を見て行きましょう。
新型車両の導入詳細
奈良線系統(難波線・奈良線・京都線・橿原線・天理線)
- 形式:8A系
- 運行開始日:2024年10月【運行中】
- カラーリング:赤
- 2025年度導入予定:4両編成×9本計36両
- 2026年度導入予定:4両編成×4本計16両【トイレ付】
- 2027年度導入予定:4両編成×5本計20両【トイレ付】
怒涛の勢いで増備されていきますね。8000系・8400系・8600系の置き換えのほか、一部形式を大阪線・名古屋線に転属させて経年車を置き換える意図もありそうです。また、2026年度増備車からはトイレ付となるので、サービス向上に役立ちそうです。
大阪線系統(大阪線・山田線・鳥羽線)
- 形式:1A系
- 運行開始日:2026年1月~
- カラーリング:青
- 2025年度導入予定:4両編成×2本計8両【トイレ付】
奈良線と比較すると、8両のみの増備にとどまっています。【シリーズ21】の増備の際も5820系×2本、9020系×1本のみでしたので、奈良線から程度の良い車両を転属させて、合わせて2410系などの経年車を置き換える可能性が高いですね。
名古屋線系統(名古屋線・山田線・鳥羽線)
- 形式:1A系
- 運行開始日:2026年1月~
- カラーリング:青
- 2025年度導入予定:4両編成×3本計12両【トイレ付】
- 2026年度導入予定:3両編成×3本計9両・・形式は1B系
名古屋線系統では、2000年ごろに増備された【シリーズ21】の導入がなかったため、久しぶりの新型車両導入となります。1810系や1000系・1010系など経年車が多いため、順次置き換えていくものと思われます。なお、2026年度導入予定の3両編成は1B系となります。4両は*A系・3両は*B系としていくのでしょう。
南大阪線系統(南大阪線・吉野線・長野線・御所線)
- 形式:6A系
- 運行開始日:2026年5月
- カラーリング:赤
- 2026年度導入予定:4両編成×3本計12両【トイレ付】
- 2027年度導入予定:4両編成×2本計8両【トイレ付】
南大阪線系統でも新型車両は導入されます。ラインカラーは緑ですが、ボディカラーは赤のままです。これは意外でしたね。そして、初めて一般車にトイレが付きます。この車両で6020系を順次置き換えていくものと思われます。
8A系の設備など
多目的トイレ
今後増備される8A系・1A系・6A系に標準装備される多目的トイレのイメージ図です。
これで万が一の際も安心ですね。
その他主な特長(8A系と同様)
①ベビーカー・大型荷物対応スペース「やさしば」の設置
②ロングシートとクロスシートを切り換えることができる L/C シートを設置
③車内防犯カメラを1両あたり4カ所、乗務員と通話ができる非常通話装置を1両あたり2カ所に設置
④車内の扉上に大型の液晶ディスプレイを設置
⑤夏期や冬期の車内保温のためお客さまが個別に扉を開閉できるスイッチを設置
8A系の車内
8A系の車内の様子を、デビュー後に取材しましたので掲載いたします。1A系・6A系もこの内装を継承すると思われます。
車内の様子
LEDを採用した明るい車内です。座席はL/Cカーで、写真はロング時の様子です。
やさしば
ベビーカー・大型荷物対応スペースです。座席が付いてるのがいいですね。座り心地も悪くはありませんでした。
大型の液晶ディスプレイ
関西の鉄道では最大級の大きさを誇る液晶ディスプレイです。左側に広告など、右側で停車駅・路線図などが表示されます。
側扉スイッチ
客用扉を乗客が開閉できるボタンです。冬・夏など長時間停車駅では役に立ちそうです。
*8A系・1A系・6A系は今までの近鉄車両より大幅なグレードアップが図られているのがお分かりいただけたかと思います。また、近鉄各線の車両リニューアルの際も8A系に準じた内装になっていますので、快適な車内空間で過ごすことができますね。