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2018年5月15日

【近鉄】フリーゲージトレイン導入か?


5月15日、近畿日本鉄道は、フリーゲージトレインの実用化に向けて開発を進めるというニュースリリースを発表しました。

近畿日本鉄道は、路線長・車両数とも大手私鉄で最大を誇っており、標準軌(1435mm)・狭軌(1067mm)・特殊狭軌(762mm)という3種類の線路幅の路線を持っていることでも有名です。


標準軌(1435mm)・・

難波線・奈良線・京都線・橿原線・天理線・生駒線・田原本線
大阪線・名古屋線・山田線・鳥羽線・志摩線・鈴鹿線・湯の山線

狭軌(1067mm)・・

南大阪線・吉野線・長野線・道明寺線・御所線・(伊賀線・養老線)

特殊狭軌(762mm)・・

(北勢線・内部線・八王子線)

()内は、他社譲渡あるいは第三セクター


上記にあげたように、標準軌と狭軌の路線が存在するため、両路線の間を行き来する際は乗り換えが必要になります。その駅とは、南大阪線・吉野線と橿原線のターミナル『橿原神宮前駅』です。





橿原神宮前駅の駅舎(中央口)です。
建築家村野藤吾氏により、皇紀2600年記念の一環として建てられた建物です。

20180515_17.jpg

GoogleMapをご覧いただくとわかりますが、橿原神宮前駅は、上側から橿原線が、左から下へ南大阪線・吉野線が伸びています。双方の路線は、下のほうで合流しているように見えます。

   

上の地図を見ると、一見すると京都から吉野へ直通できそうですが、今度は次の写真を見てください。


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左側の線路が南大阪線・吉野線で、右側の車両の止まっている奥に、橿原線のホームがあります。実は、標準軌の橿原線の線路は、車両の止まっている場所で終点となっています。手前2本の線路は狭軌線で、左側の南大阪・吉野線とつながっています。この2本の線路は、橿原神宮前駅の横のヤードを経て車止めとなっています。そのヤードには、なんと標準軌と狭軌の線路が組み合わさった部分があります。写真が出てきたらまたアップしたいと思います。

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この写真は、上の写真で22600系が止まっているあたりで撮影したものです。左右で線路幅が異なるのが一目瞭然でお分かりいただけるのではないかと思います。これが京都~吉野間で直通運転ができない最大のネックとなっているのです。

それゆえ、京橿特急(京都~橿原神宮前)は『吉野連絡』を、吉野特急(大阪阿部野橋~吉野)は、『京都連絡』の看板や表示をそれぞれ掲出しています。

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こうすることで、橿原神宮前で乗り換える必要性がありながらも、近鉄特急ネットワークとしてお互いはつながっていることをアピールしています。

その橿原神宮前駅での乗り換えですが、近鉄ホームページの案内では両線の乗り換えは4分となっています。お互いの路線のホームは離れており、さらに南大阪線・吉野線ホームへは一度地下通路へ降りる必要性があり、階段とエレベーターしかないので、少々不便です。詳しくは、近鉄のホームページで、駅構内の動画も見ることができます。

この不便を解消しようと、近鉄はフリーゲージトレインの開発を進めることにしました。
プレスリリースを見ると、狭軌の線路幅を拡張して軌間の統一や、三線軌条の検討もなされたようですね。三線軌条は分岐器の設備が複雑になるデメリットがあります。

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上の写真は、2008年にJR東海浜松工場で撮影したものです。
今も残ってるかはわかりませんが、標準軌の新幹線と狭軌の在来線の両方の車両が入場するので、こんな複雑な設備になっています。あと三線軌条を採用しているのは、箱根登山鉄道ぐらいでしょうか。 吉野線は単線で行違設備を持つ駅が多く、様々なコストが膨大になるので不採用になったのでしょう。

このフリーゲージトレインが導入されれば、京都から直接橿原神宮前で乗り換えせずに、飛鳥・吉野へ特急列車を直通させることができます。また、奈良線や三重方面からは乗り換えが1回減ることになります。乗り換えなしで目的地まで行けるのは近鉄特急の大きな強みであり、実用化されればさらにその強みがパワーアップすることになります。京都や大和西大寺などの乗降客の多い駅で、飛鳥・吉野の放送がなされることによって、行ってみたいと思う人が出てくるかもしれませんね。

さた、このフリーゲージトレインが実用化されたとして、既存の吉野特急はどうなるのでしょうか?
現在は大阪阿部野橋~吉野間を30分間隔(平日は1時間間隔もあり)で運転されていますが、京都発吉野行の京吉特急(仮称)が運転されるとなると、さすがに単線の吉野線に片道3本も運転は難しいような気もします。臨時快速急行のスジで走らせるか、吉野特急を壺阪山止まりにして、後続の京吉特急(仮称)に乗り換えてもらう(乗り換えは同一ホームの飛鳥で)かの2パターンが考えられますこうなると、大阪阿部野橋からは不便になるのが欠点ではありますが。。。

さらに、各地でフリーゲージ構想はあるにはあるのですが、どこもうまく行ってないようですね。長崎新幹線もフリーゲージを断念したようで、近鉄で実現すれば日本初となります。近鉄は日本初・業界初となる技術やサービスをどんどん提供してきました。実現することをファンとして心待ちにしたいと思います。


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コメント[2]

実用化されていないのにいきなり新幹線でしかも新幹線でも高速域での走行が求められる山陽新幹線(最高運転速度300km)で使おうとしたことがフリーゲージ実用化が出来ない原因の一つ。

在来線同士ならば技術的な難易度も低く実用化の可能性は新幹線に比べて高くなる。是非とも成功してほしいものです。

フリーゲージトレインの技術を実用化するにはまずは技術的な難易度の低い路線から実績を積んでいくことが必要。

九州様

こんばんは。
コメントありがとうございます。

なるほど、いきなり新幹線で導入しようとしてうまくいかなかったのですね。何事にも基礎・基本から実績を積み上げていくものなんですが、導入を急ぎ過ぎたのかもしれません。

今回の近鉄のフリーゲージ計画に期待したいところです。

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